掲載日:2021/03/18
更新日:2021/03/18
CSW65 NGOパラレルイベントで以下のイベントを開催致します。
CSWの今年の優先テーマは、女性の意思決定過程への参画ですが、来年の優先テーマが気候変動・災害・防災になっていますので、イベントの結果は、来年度にも引き継いでいきたいと思っています。
日本のパネリストの他、CAREオーストラリア、UNFPAアフガニスタン、スリランカのアジア太平洋地域防災女性グループの代表などもパネリストとして参加します。
日時:3月20日土曜日、15:30~17:30 (JST)
タイトル:Feminist Decision-making for Risk Governance and Resilience Building
言語:英語
主催:男女共同参画と災害・復興ネットワーク
協賛:女性学習財団、ケアインターナショナルジャパン
男女共同参画と災害・復興ネットワーク(JWNDRR)は、「リスク・ガバナンスとレジリエンス構築のためのフェミニスト視点に立った意思決定に向けて」というイベントをオンラインで2021年3月20日に開催しました。これは、第65回国連女性の地位委員会と平行して開催されたNGOバーチャルフォーラムの一環として実施したものです。公益財団法人日本女性学習財団とケア・インターナショナルジャパンが共催しました。
アジア太平洋地域では、気候変動・異常気象に伴う災害被害が増加していますが、多様なリスクを軽減し、気候変動や災害に対するジリエンス(復元力)の高い社会をつくっていくためには、女性があらゆる意思決定の場に参画していくことが不可欠です。
このイベントでは、堂本暁子JWNDRR代表の開会挨拶に続き、基調講演、アジア太平洋地域のパネリストからの発表、参加者との質疑応答がおこなわれました。
大沢真理さんは基調講演「コロナ禍の社会における地球規模の挑戦:貧困とジェンダー平等の観点から」のなかで、2018年に気候変動による被害を最も受けたのは日本であり、災害へのレジリエンスを高めるためには、女性世帯主世帯などに代表される相対的貧困率を下げること、社会関係資本や社会的トラストを高めること、包摂的成長と分配を行う社会政策と適切な税制度が必要だということを強調しました。
パネリストは、以下の5名です。
まず、「環境・持続社会」研究センター(JACSES)の遠藤理沙さんは、気候変動に関わるCOP25(2019)において、5年間の第2次「ジェンダーに関するリマ行動計画」が採択されたこと、及びパリ協定の実現に向けた気候変動ジェンダーグループの活動成果について報告しました。
ラモナ・ミランダさん(スリランカ)は、2012年にアジア地域の防災ジェンダーグループを設立しました。JWNDRRもメンバーです。これまで、仙台防災枠組やアジア防災行動計画に関して、ジェンダー視点からのロビイングをおこない、ジェンダー指針も作成してきました。
メーガン・ウイリアムさんは、CAREオーストラリアのスタッフです。ヴァヌアツでコミュニティ防災支援を10年以上実施してきました。ヴァヌアツの女性の地位は低く、議会には女性が一人もいません。また60%以上の女性が暴力を経験しています。地域の防災委員会を作り女性防災リーダーの育成を進めてきました。
アレクサンダー・サシャ・ボディロザさんは、国連人口基金アフガニスタン事務所長です。アフガニスタンは干ばつ、洪水、砂漠化など気候変動の影響を受けやすいうえに武力紛争が続いています。女性に対して健康サービスが届かないために高い妊産婦死亡率が続いています。性と生殖に関する健康は気候変動や災害に対するレジリエンスを高めるために不可欠です。
最後にマダヴィ・アリヤバンドゥさん(スリランカ)が、全体の総括とコメントを行いました。その後、パネリストの発表を受けて参加者との質疑応答がおこなわれました。
本イベントで議論された重要課題については、今回ご参加いただいたパネリストの方々とのネットワークを基に、今後開催される予定の関連会議に引き継いでいきたいと考えています。特に、2022年3月にニューヨークで開催予定の第66回国連女性の地位委員会(CSW66)は「気候変動及び環境・災害リスク削減」を優先テーマにしていることから、絶好の機会です。さらに、コロナの影響で開催が2022年11月に延期されたアジア防災閣僚級会議には、これまでジェンダー・ステークホルダー・グループのメンバーとして参会してきたことから、次回会議でも本イベントの議論を踏まえた政策提言につながるステートメントを発信していきたいと考えています。
(田中由美子 副代表)
イベントのチラシ、プログラム、配布資料は以下をご参照ください。