翻訳記事

災害時の人のレジリエンスとコミュニティーの大切さ

掲載日:2015/04/15

日付:2015年4月15日
出典:Fast Company, Mansueto Ventures, LLC


ニューオリンズのハリケーン・カトリーナの二年前に低所得者の親を対象として行われた研究が、その後意外な展開を見せた。

「カトリーナ生存者のレジリエンス・プロジェクト(RISK)」では、ハリケーンの一年後と四年後に、同じ被験者の70%の居場所をつきとめて研究を続け、災害後のストレス、子どもの成績、住居、メンタルヘルスに加えて、災害が人生に与えた影響を調査した。

最近刊行されたThe Journal of Happiness Studies (幸福学ジャーナル)に掲載されたその結果は、驚くべきものだった。491人の女性の研究では、災害のわずか一年後に「なんとなく幸せ」「とても幸せ」と答えた被験者は89%に登った。全体の平均では、幸福度は下がっていた。しかし、災害四年後には被験者のほぼ全ての幸福度は災害前と同じレベルに戻った。調査を行ったカルヴォ助教は「人というのは、思ったよりもレジリエンスの高いものなのです」と語った。

ハリケーン・カトリーナにより、女性は甚大な被害を受けていた。85%が住居に深刻な損害を受け、3人に1人は家族か親しい友人を失った。また、自分や愛する者が医療を受けられない、食料がないといった主要なストレスを多くの人が抱えた。

例外としては、ハリケーンの四年後になっても、災害前より幸福度が下がった女性は38人いたが、彼女たちには、災害後も元の家に住み、コミュニティーからの支えが少ないという共通点があった。カルヴォ助教によると、研究によって、災害前後の社会的サポートがあるかどうかが、女性の幸せの主な要因であることがわかったという。

ラテン系移民の研究も行う助教は、脆弱な立場の人々のためには、コミュニティーを支援することが肝要であると考えている。また、ソーシャルワーカー等の支援者は、たんにその地域に行って資源の使い方を指示するべきではないという。「そのコミュニティーは貧困に苦しんだり脆弱な立場に置かれた人々が多いかもしれませんが、何が役に立つかについては、外部から来た人よりもよく知っているのです」

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