掲載日:2015/03/17
第3回国連防災世界会議での(UNWCDRR)NGO Working Group のWomen としての意見表明について2015年3月15日、18時55分からの5分間、政府間会議の会場で、Women’s Major Group(NGO)としての意見表明を行う機会が原ひろ子に与えられました。
以下のような5分間の意見表明を英語でいたしました。
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STATEMENT BY THE WOMEN ‘S MAJOR GROUP
Thank you, Chair,
Esteemed colleagues, I am Hiroko Hara from the Japan Women’s Network for Disaster Risk Reduction.
The Women’s Major Group is committed to achieving women’s human rights and gender equality as well as ensuring that the post-2015 framework for Disaster Risk Reduction is centered on all people, in their diversity. To address underlying risk factors, we must use a human rights based approach and involve women in every phase of Disaster Risk Reduction.
To guide the successful implementation of the post-2015 framework, the Women’s Major Group recommends the following actions related to the priority areas.
For the last decade, we have been committed to including gender and diversity in DRR practices and building resilience. We commit to using gendered data for improving risk analyses, training leaders at all levels, and improving DRR design and planning with diverse participation.
We call on Member States to demonstrate political will and commitment. Women and communities must not wait another 10 years for action.
Thank you
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(以下、日本語訳)
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議長、各国代表の方々、ご来場の皆々様
男女共同参画と災害・復興ネットワーク副代表の原ひろ子でございます。
Women’s Major Group は、女性と女児の人権とジェンダー平等の推進に尽力するとともに、2015年以降のDRR対応が全ての多様な人々を中心とするものとなることを求めております。
災害をめぐるあらゆる危険要因への対応として、人権尊重を基本とし、女性たちが災害リスク削減のあらゆる面において参画することが必要です。
そのために、私たちWomen’s Major Groupは、 今回の会議で討議される優先されるべき領域に関連して、以下のように提案します。
1) 多様なリスクの存在を認識し、把握すること、つまりジェンダー、性、年齢、「人種」、民族、地理的状況、収入、各自の特性や能力、その他に関して多面的なデータを集め、分析可能にすること、加えてこれらの資料をもとに、災害リスク削減の多様な度合に関するアセスメントを行い、ジェンダーの多様性に準じた災害リスク削減の方策を確立し実行する。
2)ジェンダー平等と女性の人権の尊重は、災害リスク削減のための基本的原則であり、そのことは国連のCEDAW, SDGs, UNFCCその各文書に反映されています。
私たちは、各国政府と全ての民間団体に対して、DRRに関する決議、計画、実践活動、評価、経過のモデリング、財務の配分などに関しての女性の参画を求めます。
3)私たちは、例えば地方自治体の行政機関と女性団体の間で、コミュニティとしての災害対応に関して協力関係が構築されていくことを求めます。
4)DRRに力を注ぐ上で、女性や女児のもつニーズ、能力、知識が尊重されるべきであり、それらが災害対応の過程に具体的に組みこまれる必要があります。その実現のためには、国連加盟国政府と民間諸機関は、以下の2点を重視する必要があります。
①ジェンダーに関連する多様な段階にまたがる専門性、調査研究、教育、訓練などの全ての段階に対処する予算、人材その他の資源を確保すること、
②災害が発生する以前に、社会経済的多様性に即した災害に対する脆弱性を研究、検討し、 施策を用意すること
5)災害復興に際して国連加盟国政府と民間諸機関は、以下の2点を重視する必要があります。
①災害発生前、発生直後、発生後の一定期間に関して、住民の性と生殖に関する、健康に関するあらゆる情報とサービスの提供を保障すること
②災害対応に関しての女性たちの貢献を、それが有償であるか無償であるかに関わらず尊重すること
これまでの10年間、NGO Working Group として の女性グループは、DRRの実践と対応力の構築に関してジェンダーと多様性の包含についての主張を続けて来ました。
そして災害リスクの分析の手法を改善するためにジェンダー関連のデータを用いる際に、あらゆるレベルのリーダーの研修・訓練や多様な人々の参画を推進し、DRRの内容の構築と計画策定を改善するために努力してまいりました。
過去4年間、男女共同参画と災害・復興ネットワークは、日本全国の女性と男性、特に東北の被災地の女性たちと連携してまいりました。今後、多くの世代が、人類の幸福と貴重な地球の存続のために、国連加盟諸国の皆様が、人類史のこの大事な時期に、共通の結論に到達されることを期待しております。
以上、ご静聴ありがとうございました。
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