掲載日:2017/12/12
【日 時】2017年12月8日(金) 13:00~13:45
【場 所】日本女子会館5階スペースウィラーン(港区芝公園2-6-8)
【参加者】
エスコート:村川陽子
通訳:鹿野敬緯子
堂本暁子 男女共同参画と災害・復興ネットワーク(JWNDRR)代表
村松泰子 JWNDRR運営委員(書記)、(公財)日本女性学習財団理事長
青木玲子 JWNDRR運営委員(情報)、 JAWW(日本女性監視機構)事務局長
桑原詩央 JWNDRR運営委員(国際) 開発コンサルタント
大野曜 JWNDRR事務局長
黒澤あずさ (公財)日本女性学習財団学習課長
【配布資料】
*外務省のCEDAW(女性差別撤廃条約委員会)対日理解促進プログラムとして依頼のあったものである。
【概要】
1. 日本における災害・復興と女性の活動(堂本)
この状況は1995年の阪神淡路大震災でも起き、女性の視点の欠如が社会問題になったが、災害政策が改善されることなく、9年後2004年に新潟県で中越地震が起き、再度、女性たちは同じ困難に出会う。翌2005年ジェンダー視点が書き込まれた国連の兵庫防災枠組を受けて、防災計画に男性・女性の視点の必要性が追記されたが、政策として具体化されないまま、2011年に東日本大震災が起き、過去2回の災害と同じように、女性、多様性の視点が欠落しているための不都合、不便が多くの悲惨な状況を起こした。
私達は直ちにJWNDRRを結成し、政府に意思決定の場への女性の参画、被災当事者の意見を踏まえて復興計画を作成することなどを求めた。私たちは女性を弱者と位置づけるべきではないと考えており、男性と平等に意見を云い、避難所運営などに参加すべきであると主張した。以来6年、ジェンダー、多様性の視点からの災害政策の提言活動を国内外で続けている。
成果としては充分ではないが、災害対策計画などにジェンダー視点からの改善を実現した。最も大きな成果は、内閣府の男女共同参画局がまとめたジェンダー視点からの取組指針とチェックリストであり、平常時からの男女共同参画社会の実現、主体的存在として女性を位置づけ、女性リーダーの育成などを盛り込んでいる。
2016年4月、熊本で地震が起き49人が犠牲になった。ここでは神戸、中越、東北と違い、取組指針、チェックシートが機能し、女性用の「更衣室」「授乳室」「洗濯物干し場」などが避難所に設置された。20年以上にわたる女性たちの活動の成果である。
東日本大震災から6年たち、被災現場を見ると防波堤、道路などのインフラの復興が優先しており、福祉、環境、教育などにソフト政策が遅れている。
さらに都市計画などに女性を始め、住民の意見がほとんど取り入れていない。
合意形成のプロセスに私たちはもっと参画すべきであった、と反省している。
2. 災害・復興に係る日本女性学習財団の活動(村松)
ほか、独自には東日本大震災後に他団体などとともに「被災地支援者のエンパワーメントに関する調査研究」を実施、また、男女共同参画のための月刊情報誌『We learn』では、「災害復興・防災と男女共同参画」を毎年特集するなどしている。加えて当財団は、約90の男女共同参画センターの加盟するNPO法人全国女性会館協議会の会員館として活動しているが、協議会は災害復興・防災と男女共同参画に関するリーダー養成講座、内閣府による被災地における女性相談事業へのスーパーバイザー派遣などを行っている。さらに、東日本大震災後には、クラウドサービスを利用したセンターの相互支援システムを構築し、これは2016年の熊本地震の際に有効に機能した。
3. 世界防災フォーラムJWNDRR主催セッションの概要(桑原)
4. 質疑応答
2) (堂本)被災してすべてを失って経済的に新たな住宅に移る余裕がない人がたくさんいる。人によっては10回も仮設住宅を移った人もいると聞いている。JWNDRRは国の責任(政策が悪い)と考えている。
3) ロザリオ・マナロ委員Ms. Rosario MANALO(フィリピン 82歳)
4) グラディス・アコスタ・ヴァルガス委員Ms. Gladys ACOSTA VARGAS(ペルー)